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お母さん、娘をやめていいですか? 一番問題なのに、いつもあっけらかんとしている斉藤由貴の明るいモンスターっぷり

ついに最終回、人形の家。おもしろかったですね。

これまではひとつひとつの出来事を丁寧に描いてきたこのドラマ。

それが効果的に作用し、ドラマを重厚にしたり、趣深いものにしていて、最近の流行りのドラマとは一線を画すものになっていました。

しかし、正直その展開の緩やかさが、だるかったり、退屈だったりする側面もあったのですが、最終回では二転三転する展開で、これまでとは明らかに違うスピード感で物語は進んでいきます。

かといって、丁寧さやこれまでの物語の良さは失われておらず、最終回で台無しなんてことにもなりませんでした。

このあたりの緩急のつけかたにドラマ作りの力を感じさせます。

斉藤由貴の母親はほんとにダメですね。

視聴者にそう思わせるように作っているのはわかるんですが、普通そういう狙いがわかるとつまらなく見えてしまうものがですが、このドラマではそうなりませんでした。

斉藤由貴のダメ母はやっぱりおもしろかった。

そして、最後に変化と成長を見せるその母親を応援したい気持ちになりました。

娘の波留のほうが変化が激しいというか、母親よりずっと人間的な成長を見せるんですが、どうしてか母親の斉藤由貴のほうを応援したくなります。

このあたりは好みがわかれるでしょうが。

なぜかというと、やっぱり母親、斉藤由貴のほうが計算がないんですよね。一生懸命なんです(逃げる波留も必死でしたが)。

その「気付きのなさ」でトラブルメーカーとなっているんですが、そこが迷惑にも恐ろしくも見えるし、気の毒にも見える。

この母親がどう見えるかは、母親を演じる女優さんによってもかなり違ってきてたと思います。

斉藤由貴だから、あまり陰惨に見えなかったからよかったのかもしれない。

めちゃくちゃなのに明るさとかかわいさがあるんですよね。

大騒動を起こした翌朝でも、「何かあったの?」という感じできょとんとしている。

このあたりがこの母親の許せないところでもあるんですが、この明るさがなければ(よりリアルなのかもしれませんが)見ていられなくなるほど不快で暗いドラマになると思います。

最後の最後で、柳楽優弥の母親として増田恵子が出演。

いきなりな感じの出演だったんですが、この母親が良かったですね。

疲れていて、でも人間的には芯が通っていて、哀しい感じでした。生きるって大変。そう思わせる何かがにじんでいました。

久々に会いにきた息子、柳楽優弥に対して「(来てくれて)ありがとう。でも、もう会いに来るな。おまえに甘えちゃいけないから」という趣旨のことを言い、突き放します。

あの突き放し方に、突き放される前に突き放す悲しさというか、強さがありました。

男を選んで子供を捨てた罪の深さを自認し、幸せになることを放棄した女の哀れさみたいなものが短い時間なのに(短時間だから?)うまく表現できていて、涙を誘いました。

場面となっていた片田舎の温泉街みたいな雰囲気も、すごくマッチしていましたしね。

最後の最後で大活躍したのは、斉藤由貴の夫、寺脇康文。

やっぱり寺脇さんはいい男でした。最後に締めてかっこよかったですね。年相応のかっこよさがあったと思います。

年相応なかっこよさがあったのは麻生祐未も同じでしたね。

いろんな場面でキーパーソンとなる柳楽優弥でしたが、存在感が薄かったです。

なんなら、ワンシーンしか出なかった壇蜜のほうが印象的でした。

波留は演技が下手というわけではないのですが、なぜか心揺さぶられないんですよね。

単調な感じがするんです。この方、きっと芯は強い方なんでしょうね。それが表に出てしまっていて、ドラマの中で「揺れてない」んです。

別に感情があふれるような演技を期待してるわけじゃないんです。

それをこのドラマでやると失敗するってゆーか、視聴者はひくと思うし(それは斉藤さんが担当してたし)。

次回はTBSで「あなたのことはそれほど」という恋愛ドラマで主演する波留さん。

恋愛ドラマでも「揺れてない」となると視聴者は一気にひくと思います。

そのあたりを次回作でどう演じてくるか、チェックしてみたいと思います。

とゆーことで、最終回のあらすじはこんな感じでした。

「あなたの娘やめていいですか?」

そう波留に言われ、斉藤由貴は「だったら殺してくれ」と波留の手をつかみ、自分の首をしめます。

新居でもみ合う二人を、斉藤由貴の夫、寺脇康文と波留の彼氏、柳楽優弥が止めます。

新居を飛び出す斉藤由貴。波留は母を追います。そして、道路にふらふらと飛び出て、車にひかれそうになった母を助けます。

泣き崩れる母を前に、波留は母親から離れ自立することをあきらめます。

自宅に戻った波留は教師として復職します。

母親との確執のある生徒、石井杏奈は自ら母から離れることを選択し、学校を辞めていきます。

波留は彼女の選択を尊重し、送り出します。

そして波留も自身が何を求めているか、どうしたらいいかを考え、母、斉藤由貴に再度思いをぶつけます。

「ずっと自分を押し殺してきた。ずっとあなたの顔色を窺ってきた。それで十円ハゲもできた。自分はあなたが思っているような人間じゃない」

そういう気持ちを母にぶつける波留。

激しくぶつかってくる娘ともみ合いになる母親の斉藤由貴も、ついには娘の気持ちを理解します。

一方、夫の寺脇康文は仕事の誘いにのり、インドネシアに行くことに。

妻、斉藤さんに一緒に行ってほしいと言いますが、斉藤さんはこれをいったんは拒否します。

しかし、最終的には娘と離れ、夫についていく決心をします。

最後は予想通りの展開になりましたが、ほっとした視聴者が多いのでは。

普通は予想通りの結果になると、ほらねといった感じで退屈に感じるのですが、このドラマに限っていえば、予想通りに着地して良かったという感じ。

このドラマで扱われている「不幸」って貧困でも、暴力でもないし、甘いっちゃー甘ったるいものなのかもしれません。

健康で明るくてお金にも困ってない家族が、ゆるーい悩みで右往左往している。そう見えるかもしれない。

でも、親子の分離というか、自立の問題ってずっとある問題だし、深刻だし、難しい問題だと思います。

両方が十分に大人という年齢になっていても、いつまでも「親と子供」という枠からうまく抜け出せない。

経済的な理由もあって(お金を稼ぐのがどんどん難しくなる世の中で、金銭的な理由から自立するのが難しい人も増えていく)、そういう親子はますます増えているし、今後も増えていくのでしょう。

その苦悩は家族それぞれだし、他人にはどうしても理解できないものだと、このドラマを見ていて思いました。