娘、波留と母親、斉藤由貴が共依存の親子。
斉藤由貴の顔色をうかがいまくる波留に見てるこっちがハラハラ、イライラさせられます。
斉藤さんが口元斜め下に手をあてる=不満の現れ、すると、波留が斎藤さんの気持ちを忖度し、斉藤さんが喜ぶであろう「答え」を口にして、母親を喜ばせるのです。
何度も現れたシーンです。地味ですがドキドキするものがあります。
そんな母親大好きな波留ですが、どこかで母親との関係に息苦しさやストレスを感じており、密かに十円ハゲを作っています。
その原因が母親ともまだ気づかない娘、波留ですが、この気持ちに気付いたときに二人の関係が崩れるのでしょう。
そんな予想をたてつつも、一回目のあらすじは以下のような感じ。
何でも母親に話せる娘、波留とその母親、斉藤由貴。
母親は娘のデートまで監視し、思い通りにコントロールしています。そんな母と娘の関係に危うさを覚えながら何も言えない父親、寺脇康文。
寺脇さんは会社ではリストラ部屋に送り込まれています。そんな状態であるのに、実家の建て直しに踏み切ります。
夫がそんな状態とは知らない斉藤由貴は、娘の新しいボーイフレンドにと、ハウスメーカーの柳楽優弥(波留たちの家の建築を担当)を推します。
母親にすすめられるままに、気乗りしないまま柳楽優弥とデートする波留。
「母親の顔色を窺ってるでしょ?」という趣旨の指摘をされ動揺する波留の目に、二人のデートを監視している斉藤由貴の姿が入ってきます。
動揺した波留は、衝動的に柳楽優弥の手を握りしめます。
なぜ自分がそんな行動をとったのか、その気持ちがわからないまま、波留は柳楽優弥の手を握り続けて・・・つづく。
ざっとそんな展開でした。
他の要素としては、波留が学校の先生なので、生徒との関係があります。
石井杏奈演じる波留の生徒は、ヒステリックな母親の暴力に悩まされており、学校になじんでいません。
母親に悩まされるこの生徒との交流を通じ、波留も自分と母親の関係を見直していきそうです。
また、母親である斉藤由貴は、自身の母親、老人ホームにはいっている大空眞弓との関係に問題がありそう。
このあたりも火種です。
他に気になったのは柳楽優弥の同僚の壇蜜、斉藤由貴の友人、麻生祐未。
麻生さんは今後、斎藤さんと波留の関係に口出ししてきそうです。
また、色気たっぷりの壇蜜さんですが、意外にキャリアウーマン(インテリアデザイナー? インテリアコーディネーター?)の役がはまっています。
ひょっとして居るかもと思わせるキャリアウーマンです。
大物脚本家、井上由美子さん(最近の作品は「昼顔」など)の作品だけあって、安定したスタートでした。
波乱の種まきはすでに十分。
次回から、少しずつ軋んでいく人間関係がじっくりと展開されるはずです。
そして、そういった流れの中での井上先生が書くセリフやモノローグ(心の声)は十分に期待できます。
斉藤さんは静かにしていても狂気を感じさせる方なので、あまりやりすぎない演出を希望。
静かに微笑んでるぐらいのほうが斉藤さんは怖いんです。
初回を見たら、そんなに奇抜な展開にせずに、しんしんとしたリアルな怖さを描いていこうという意気込みを感じましたがどうなるでしょう。
予想以上におもしろくなりそうな、お母さん、娘をやめていいですか? でした。