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【無料小説】それでもまた恋をする 第11話

「懲りないなあ、おまえは」

 月の王は姫を見据えて、あきれて言った。

「だって・・・」

「あんな罪を犯して流された星で、最後の最後まで男といちゃついてるなんて。ほんと、大したタマだな、おまえという女は」

 自分だって、取り調べの際、検分だといって私の体を楽しんだくせに。権力を持った男は勝手だ。姫は口を尖らせた。

「何だ?」

「いえ、この先どうなるのかと・・・不安になりまして」

 姫は不安そうに眉間を寄せた。それはこの表情がどエスのこの男の好物だからだ。案の定、男は相好を崩した。

「心配するでない。大人しくしておれば、悪いようにはしない」

 心配してねーよ。ばーか、ばーか、ばーか。

「おまえはもう十分に罰を受けた」

 罰だったのか。楽しかったけどな。美を競うばかりの女にまみれた月での退屈な生活よりずっと。

「でも、最後はあんなことに・・・」

 姫は思ってもないことを口にする。

「あんなこと、どうにでもなる。なかったことにも・・・」

 王は姫の手をゆっくりと握りしめた。

「わかってるな」

 あーあ、せっかくさっき「帝まみれ」にしといたのに。台無しじゃん。マジむかつく、このブス。怒りを抑え、姫は照れたようにうなずいた。

「はい・・・」

 仕方ない。月に戻れば、この男は王なのだ。調子にのった王は姫の手を撫でまわす。気持ちわりー。でも、うまくやらないとなあ。姫は顔を伏せ、ゆっくりと王の手をほどいた。

「すみません、ちょっと疲れてて」

「男といちゃつくのに疲れたか」

 王が意地悪く笑う。くっそー、腹立つな、この短小包茎の早漏野郎。知ってんだぞ。

「まあ、いい。月に着くまでゆっくり寝てろ」

「はい、ありがとうございます」

 王が部屋を出ていく。姫は急に呼吸が楽になって気がした。一人になった部屋で姫は衣装を引き摺りながらゆっくりと歩く。そして、部屋の隅に置かれたベッドにばさりと倒れ込んだ。シーツの冷たさが頬を撫でた。また、あの冷たく無機質な生活が始まる。姫はゆっくりと目を閉じた。