いい年なのにテレビっ子!

テレビの感想や芸能ネタなどのつぶやきリポート & 無料小説

【小説】それでもまた恋をする

【無料小説】それでもまた恋をする 第12話

月では女は美しさを求められる。もっとはっきりいえば、美しさしか求められない。よって女たちは、自分の美しさを極めること以外に興味をもたない。恋などしない、決して。美によってランク付けされた女たちは、ランクにしたがった男に嫁ぐのがルールだ。そ…

【無料小説】それでもまた恋をする 第11話

「懲りないなあ、おまえは」 月の王は姫を見据えて、あきれて言った。 「だって・・・」 「あんな罪を犯して流された星で、最後の最後まで男といちゃついてるなんて。ほんと、大したタマだな、おまえという女は」 自分だって、取り調べの際、検分だといって…

【無料小説】それでもまた恋をする 第10話

満月の夜、月の王は予告通りにやってきた。帝が用意した数千人の護衛も、月の船が放つ光にどんどん戦意を奪われていく。どうせ月の世界の者にはかなわない。わかっている。でも、私も思い出が欲しかった。私にさぞかし執着した男がいたこと。その男は危険も…

【無料小説】それでもまた恋をする 第09話

五人はいずれも私の課題をクリアすることができず、目の前から居なくなってくれた。もちろん、何とも思わなかった。そうなってほしいから、あんな無理な課題を並べたのだ。五人の男たちは、ただ目の前を流れていっただけ。どんぶらこどんぶらこ、滑稽なほど…

【無料小説】それでもまた恋をする 第08話

「どんなにこの日を待ち望んでいたことか」 中納言石上麻呂はさらりと上品に言った。声も見た目に合って涼やかだ。ほう。五人めにして、やっとイケメンが。 「私も・・・」 初めて感情がこもったぜ。御簾ごしに中納言が見つめてくる。好みじゃないけど、いい…

【無料小説】それでもまた恋をする 第07話

大納言大伴御行は見るからに嫌な奴だった。どすどすと音をたてて部屋に入ってきて、動きも大きく下品だ。 「猿だな」 思わずつぶやきがこぼれる。そんな姫の目の前で、大納言はどすんと大きな音をたてて腰を下ろした。知性のかけらもない。金持ちの家に生ま…

【無料小説】それでもまた恋をする 第06話

右大臣を名のるときにあの得意そうな顔。いやだねえ、権力者は。目の前の男、右大臣阿倍御主人を見据えながら、姫は思う。 「この日が来たことをうれしく思います」 大袈裟な。 「私も・・・」 『私も・・・』だって。点点点ってなんだよ~。私も私だ。 「何…

【無料小説】それでもまた恋をする 第05話

次の男は車持皇子と名のった。 「皇子ばっかり。皇子だらけなのか、この星は」 もちろんそうではない。いずれもかなり位の高いものだ。 「だったらいいってわけでもないのよ・・・」 この星に来てひとりごとが増えた。毒の吐けないこの星の「姫」と呼ばれる…

【無料小説】それでもまた恋をする 第04話

私はさっそく五人の男たちと会うことになった。 「めんどくせーなー」 姫は扇子で口を隠しながら小さくひとりごちる。御簾ごしに男が現れる。最初の男は石作皇子と名のった。背は高いが節々は細い。全体から細さを感じさせる男は、顔も細長かった。うわっ、…

【無料小説】それでもまた恋をする 第03話

「どんなに位が高い人たちであろうと、私はその心までも信じることはできません」 姫の言葉に、翁はあからさまに困った顔をした。もとは庶民。私という武器を得て表舞台に立ったものの、貴き人たちを相手することに慣れることはあるまい。人生のポジションの…

【無料小説】それでもまた恋をする 第02話

食べられてしまうかもしれない。そんな口づけをされながら、私は帝の体をまさぐり続けました。この男が欲しい。抱かれたい。一瞬でもすべてをモノにしたい。私は帝の中心に手を伸ばしました。そこは、私が出てきた竹ほどに硬く、照り輝いています。品定めに…

【無料小説】それでもまた恋をする 第01話

「おおっ、これはなんと美しい。光る君。わが元へ」 帝はそう言い、長く鹿の足のように引き締まった腕を私のほうへと寄せました。いけない。また、私は罪を犯してしまう。恋をしてしまう。そう思いましたが、もう遅かった。私の視線は帝に吸い寄せられ、決し…